不動産登記で会社法人等番号が必要になります

堺市でお住まいのみなさん、こんばんは司法書士の奥田です。

前々回、住民票にマイナンバーが記載されることについてお話しましたが、今回は会社法人等番号が法人登記の登記事項になりましたので少しお話したいと思います。ちなみに、今回は、相続登記とは全く関係ありません。

会社法人等番号について

会社法人等番号は以前から法人登記の登記事項の欄外に記載されていましたが、マイナンバー制度の施行にともなって、登記事項になりました。この会社法人等番号に一桁足した数列が法人番号(法人のマイナンバー)になります。

資格証明書の添付省略の取扱いについて

以前から言われていたのですが、平成27年11月2日から法人が不動産登記で必要な資格証明書が添付省略できるようになりました(法人の住所証明情報も同じ取り扱いになります。)。

今までも、会社法人と同一管轄区域内での不動産登記申請では資格証明書と印鑑証明書の添付省略の取扱いがありましたが、この取り扱いが廃止され、この度、会社法人等番号が登記事項に格上げされたことにより、申請書にその番号を記載すれば登記事項証明書の添付省略が認められることになりました。しかし、あくまでも省略できるだけですので今まで通り登記事項証明書を添付することも可能です。ちなみに有効期限は1カ月以内にかぎります。

添付書類の記載方法

資格証明書としての登記事項証明書を添付省略するのであれば、「会社法人等番号」と記載し、登記事項証明書を添付するのであれば、「登記事項証明書」と記載することになります。以前のように代理権限証明情報に含めるのでもなく資格証明書でもありません。なお、住所証明情報としての登記事項証明書の場合は、添付省略してもしなくても「住所証明情報」で変わりがありません。

誰のための改正か

法務局としては上記の改正をすることによって登記申請時に毎回添付する銀行の資格証明書を発行する手間は省けるものの、税収入は減るはずですので、結局のところ銀行連盟が主導して改正に至ったのではないかと推測できます。資格証明書は1通600円が必要ですので経費削減にはなるのかと思います。

司法書士としての対応

今までは登記申請書の作成の資料として法人から資格証明書(個人でいうところの住民票)を頂けたのですが、今後は調査のためにネット謄本をとることになるか、もしくはオンラインで会社法人等番号の確認をする方法になるかと思います。

しかし、抵当権抹消登記などに添付することがある変更証明書については、平成24年5月20日以前は組織変更や他管轄本店移転をした場合には会社法人等番号が変更されていたため、その閉鎖登記簿謄本に本店の住所が変更されていることが記録されている場合は依然として変更証明書たる閉鎖謄本が必要となる場合がありますので注意が必要です。

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