解決事例9(相続人に認知症の方が存在している場合の遺産分割)

相続の概要

父が亡くなり、相続人が母と子供ふたりであったが、母が高齢のため認知症を患っており意思確認が出来ない状態であった。

相続関係

被相続人:父

相続人:母、子二人

 

解説

認知症の方で意思確認が困難である場合、遺産分割協議を成立させることができません。意思の確認が出来ない以上は、相続人全員での協議が成立しないためです。

解決方法

認知症の方のために成年後見人という法定代理人の選定を家庭裁判所に対して行い、後見人が就任後に、後見人と他の相続人を含めて遺産分割協議を行う事になります。ポイントとしては、他の相続人が後見人に就任しないことと、遺産分割協議で長男だけが受け継ぐというような被後見人(認知症の方)が相続財産を受け取らないような遺産分割協議が出来ないというところです。

他の相続人が後見人になりますと自分の利益のために被後見人(認知症の方)の相続分を減らすような遺産分割協議をする可能性があるので、別途、特別代理人を選任する必要が出てきます。また、被後見人(認知症の方)の不利益になるような遺産分割協議は裁判所は許してくれません。その点を注意して手続きを進めるひつようがあります。

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